イギリスの伝統ダンスであるモリスダンスMorris danceは、
春のイギリスの風物詩の1つ。
この日はヨークシャーデイルズのマラムMalhamに向かう
途中にある小さな村カークビー・マラムKirkby Malhamの
パブのパーキングでモリスダンスの一団と遭遇しました。
このイギリス伝統ダンスの起源は15世紀と言われ、
17世紀に清教徒革命の指導者クロムウェルによって
禁止の憂き目にあったものの、チャールズ2世による王政復古で解禁となり復活。
そして20世紀のフォークリバイバルに乗って各地で盛んに踊られるようになったそうです。
膝に鈴(イカス!)と帽子着用は共通しているみたいですが、
日本の盆踊りのように地方地方で踊り方と衣装が異なります。
この日のダンサーは白装束に身を固め、手に白いハンカチを持っていました。
ハンカチの代わりに剣を持つ地方もあるそうです。
ダンスの伴奏にはフィドル(バイオリン)、アコーディオン、
コンサーティーナ(手風琴)、ボラーン(片面タイコ)などが使われ、
この日はアコーディオンとコンサーティーナ奏者が伴奏を務めていました。
アコーディオンという楽器はリズムが甘くなるときが少なくないのですが、
このアコーディオン奏者は実にタイトなリズムを刻み、うーん、パンキッシュ!
写真は一休みするアコーディオニスト
そのパワフルで躍動感溢れるアコーディオンに合わせて
ダンサーが踊るのですが、写真からもわかるとおりどこかユーモラス。
片足を交互に上げてオットットット、オットットット。
そんでもってハンカチを上に振り上げながらドッピューンとジャンプ。
当然、動作のひとつひとつに意味があり、
何がしかのストーリーがあるのだと思われますが、まあそんなことよりも
見ているだけでとても楽しくなるダンスです。
ダンスが終わると、ダンサーの1人が帽子を脱いで見物者から木戸銭を集めて、
ショー(?)はお開きとなりました。
各国で伝統文化の伝承が難しくなっているように
イギリスでもこのモリスダンスの後継者がだんだんと減ってきているそうです。
途絶えてしまうには惜しいイギリスのモリスダンス。
いつまでも継承されていって欲しいものです。
May 2007
コメント
以前イギリス南西部のシドマスのフォークフェスティバルで観たことがあります。
モーリスダンスって、なぜ全員男性のみなのでしょう?
私が見たときはハンカチで踊った後はこん棒(?)に持ち替えて踊っていたような。
足の鈴とバッテンのたすきがけは、秋田のねぷた祭りを連想するのは私だけ?見ているだけでも、心踊ります!
>フェリママさん
カキコありがとうございます。
女性だけや男女混合の場合もあるそうですが私は見たことありません。でもやはりモリスダンスは男のダンスという気がします。フェスティバルなどに出演するダンサーたちは、ビシッと衣装を決め、どこか日本の祭の粋でいなせな男衆を彷彿とさせます。